みなさんこんにちは。ごきげんいかがでらっしゃいますか?
お陰様で私もだいぶ元気になって参りました。
朝晩めっきり涼しくなり、夕刻虫の鳴き声を聞きながら
帰る家路は、なんとも風情があっていいものですね。
さて先日、私は築地にある国立がんセンターへ、
肺炎の再検査に行って参りました。
なんせ原因不明の、肺炎だったものですから
先生は癌を疑われたのですが、お陰様で癌ではなかった安堵感もあり
再検査に行っても、「さて検査が終わったら、築地で何を食べようかな?」などと
のんきな事を考えながら、順番を待っていました。
フロアーには10名ほどの人が、座っていました。
「○○さーん」、白衣を着た検査技師さんが、直接ドアを開けて
一人一人の名前を呼んでくれるのですが、初めのうち
誰一人として、返事をせず、ドアの中へスーッと入っていくのを見ながら
私は、「みんな返事したらいいのになあ」と思っていました。
でも良く考えたらここにいるほとんどの人が、癌か、又は癌の疑いがある人ばかり。
私を除いて皆さん相当不安を抱えてここに座っているんだもの。
明るく元気な声なんて出ないよなあ。無理もないよね。
などと思い直したりしていました。
その時です。「○○さーん」「はい」。
初めて返事をした人がいたのです。それもとびっきり元気な声で。
嬉しいじゃありませんか。
私が検査技師さんならサービスしちゃうな。(なんのサービスじゃい?)
それほどはきはきした大きな声だったのです。
その方は、初老のいかにもジェントルマンといういでたちの方でした。
さらに帽子を取りながら、「お世話になります。よろしくお願いします」。
私はその場の空気がサーッと変わっていくのを、はっきりと感じ取りました。
私の予感は的中でした。
なんと次の人から呼ばれる人、呼ばれる人全て「ハイ、ハイ」。
いやーそれも元気いっぱい。こりゃ一人も癌じゃないぞと
思えるほど、それほど皆さん元気に返事をして
検査室に入っていかれました。
明るく元気な挨拶。
やっぱりいいものですね。
検査技師さんたちも明るくキビキビ働いていらして
気持ちが良かったです。
「もしかしたらこれも挨拶の相乗効果がもたらしたものなのかも。
そうだとしたらあの初老の紳士の功績は多大じゃない。」
私は血液を取られながら、なぜか嬉しい気分になったのでした。
それにしても元気な挨拶は、伝染するものなのですね。
インフルエンザの伝染は困るけれど、こんな伝染なら
いち早く、移りたいなと思った私です。
それでは皆様ごきげんよう。
youko