こんにちは皆さんお変わりございませんか?
台風が猛威をふるい、日本列島をようやく離れたと
ホットしたのも、つかの間
今度は中越地方を地震が襲い、3年前の傷が癒えぬうちに
またもやと思うと、自然はなんと残酷な仕打ちをするのだろうかと
ただただお気の毒な気持ちでいっぱいです。
特に私の母ぐらいのお年の方がお亡くなりになっているので
胸がつぶれそうな気持ちになります。
助け出されて「ありがとう」と何度もつぶやき
この世を去られた方がいらっしゃったそうです。
こんな風に人にお礼を言って私もこの世を去りたいと
大切なことを教えていただき、
崇高なお気持ちに敬服した次第です。
どうぞ安らかにお眠りください。
台風、地震共に被害にあわれた地域の皆様には
心よりお見舞い申し上げます。
さて今回のお話は「魔法の鏡でスマイル、スマイル」という
お話をさせていただきますね。
魔法の鏡を持ってたら、あなたの暮らし映してみたい。
これはユーミンこと松任谷由美さんの30年ほど前のヒット曲
懐かしいなと思っていたら、そうだ昔、実家にもあったじゃないと
思い出しました。
家のどこに?しかも魔法の鏡?
でも確かに存在していたのです、これが。
それは私が中学生の頃のお話です。
実家の家を改築するにあたり、
「家が広くなって?電話に出るのが大変だ」と
母は何を勘違いしたのか大騒ぎ。
結果、我が実家の電話機はいっきに4台に増えた。
そんなある日のこと。いつ置いたのか?
その全ての電話機の前に、
鏡が置いてあることに気がついた。
「母ちゃんが置いたんだな。それにしても
さすが母ちゃん。気が利いてる。
これなら電話しながら、髪の毛とかせるわ」とばかり
その日も、友人と話しをしながら
髪の毛を梳かしていた。
電話を切ると母が、いきなり怒り出した。
「あんた髪の毛梳かしながら、人と話をする馬鹿いるかい」
「えっ?母ちゃん、そのために鏡置いたんじゃないの?」
「まったくあんたは、あきれるねえ。
いいかい、あたしがここに置いたのは
今みたいに、あんたのこと
怒るだろ。そこへ電話がきてごらんよ。
気持ちが納まらないうちに、電話なんかでたら
声に表われてさ、
相手の人にまで不快な思いさせちゃうじゃないか。
だから、こうして鏡を置いて、ベルが鳴ったら
鏡に向かってニコって笑って、受話器をとるんだよ。
そうすれば気持ちが落ち着いて、相手の人と
おだやかに話しができるだろ」
「うわっ さすが母ちゃん」
私は自分が怒られていることなどすっかり忘れて
わが母ながらあっぱれと思った。
「仕事場にも置いてあるんだよ。これは
効果てきめんだね。ニコニコ鏡を見ながら話しを
するとさ、声も明るくなるし、不思議なもんでさ
気持ちまで明るくなるんだよ。
あんたも髪の毛なんか梳かしてるひまがあったら
やってごらん」
それから私は意識して鏡を見ながら話しを
するようになった。
するとあら、不思議。ほんと母の言うとおり。
友達と面白い話をするときは、心から笑い
もっと不思議なのは、悩みの話しをしていると
いつのまにか、前向きな気持ちがどこからか
沸きあがってきた。
悲しい話は心から泣き、それでもやはりどこかで立ち上がる
勇気をもたらしてくれた。
仕事場でも私は母を真似て、電話機の前に鏡を置いてみた。
母も苦労したであろう、人間関係の難しさを
私も感じながらも
この鏡のおかげでずいぶん助けられた。
特に仕事場で落ち込んだときほど
作らなければならない笑顔は
なんと苦しくせつないものだったろう。
それでも鏡に向かって無理やり作った。
無理やり作った笑顔だったが、やがて私の心は
その笑顔に合わそうと必死になっていた。
「スマイル。スマイル」
心に言い聞かせるうち、いつの間にか私の心まで
「スマイル、スマイル」になっていった。
電話は相手が見えない。
相手が見えないからぞんざいに話していいわけがない
いや、見えないからこそ、
真摯に相手に向き合わなければならないのだと、
母はあの時言わなかったが、きっとこう言いたかったんだろうな。
「あんた、髪の毛なんか梳かしながら話しして、
相手が見えないから何をしてもいいなんて思ったら大間違いだよ。
相手にはちゃんと伝わるんだからね」
鏡と電話は対をなして私に大切なことを教えてくれた。
今私の住まいの玄関横に、大きな鏡が設置してある。
私にとって出掛けの身づくろいの
最終チェックはこの鏡に向かって
「ニッ」って笑うこと。
一歩家から出たら、例え泣きたい心を
抱えていても、他人には見せられないもの。
せっかくする挨拶なら、笑顔で挨拶したいじゃない。
仕事場に向かうときは、
「よっし」って鏡の自分に声をかける。
がんばれって自分を応援してあげたいじゃない。
ゲキ入れて、活入れて自分を励ましてあげたいじゃない。
そのために私は今日も鏡に向かって「ニッ」って笑う。
魔法の鏡はあなたが持とうと思ったら、
思ったときから
手に入れることができる。
だから魔法の鏡。
母がくれた魔法の鏡は
今日も私の心の中で
私の心を映し出す。
時には醜く
時には美しく。
醜い時は、己を叱り、省みる。
美しい時は、他人とわけあう。わかちあう。
さあ心の鏡が、曇らぬように
キュッキュッ、磨いて、磨いて
今日もスマイル、スマイル。
ようやく梅雨明けいたしましたね。
暑さに負けないよう、皆様お体に気をつけて。
今日も読んでいただきありがとうございました。
ごきげんよう。
youko