Hukusima 2~あんたへの手紙~

Hukusima 2~あんたへの手紙~

あの日眼には見えない 放射能の雨の中
追われるように 着の身着のまま
故郷を後にした あんたが明日の朝
あの街へ帰るという
いくら生まれた街だって
いくら育った街だって
あんたやっぱり馬鹿な女
故郷は未だ 静かな戦いの中
それでもあんた笑い顔
「故郷に恩返ししたいだけよ」

帰ってみたところで 魚一匹揚げられぬ
苗植えられぬ 田に水を張る
悔しさに泣く私 あんた前を見ている
まちがい冒された街
いくら恨んでもいいのに
いくら嘆いてもいいのに
故郷持たぬ根無し草には
どう足掻いたって 心には寄り添えない
それでもあんた礼を言う
「ありがとう何も返せずごめんね」

どうせ止めたところで 音を上げないあんただもの
止めたりしない 察しついてた
好きなだけ泣いたから もう泣き疲れたのよ
愚かさに翻弄され
後は時が流れるのを
後は密やかに待つだけ
遠い街で寝言のようでしょ
地を這うあんたに あたしの慰めなんか
受け止めてくれる力
一体どこに潜んでるの?
「報いたい救われた命だから」

学生時代の友人は南相馬市から原発から逃れ
新潟の柏崎へ避難した。
それから約50日。今日5月5日
故郷へ再び戻るという。
彼女の言葉を気持ちをそのまま歌にした。飾りや想像は一切なし。
私たちの電話のやりとりをそのまんまここに記した。
馬鹿でかっこよすぎる女だよ。まったく。

馬鹿でかっこいいやつがもう一人いた。
いまその男は石巻で泥かきのボランティア中。
その馬鹿でかっこいい男とは なにを隠そう私の夫。

だって今年59よ。「オジサンが行って何するの?泥かき?無謀だよ
やめとき。若い子の足引っ張るだけだよ。
おじさん何しにきたの?って言われちゃうよ
帰ってから寝込むに決まってるって」

しかし、馬の耳に念仏。柳に風。

「たのむ。今まで生きてきた罪滅ぼしを今こそさせてくれ」
こう言われちゃ、だまって出すしかないでしょ。
あーあ。どうやら私はお馬鹿に縁があるらしい。
あきらめたよ。 

どうぞ皆様お体にお気をつけてくださいませね。

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 一度だけの人生、心豊かに明るく積極的に生きる。
    ハロー話し方教室 代表 福士 敏行・陽子
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傾きました でも心は傾きません

このたびの震災におかれまして
被災されました皆様には心よりお見舞い申し上げ上げます。

と、いうことで自分にもお見舞いするはめになりました。
で、なんと横浜の実家も傾きました。
田んぼの埋め立てだったのでイヤーやられました。

築50年以上も経っておりますし、私と同じで?
そこかしこに多少のガタがきておりましたが
まさか地震で私より土地のほうが
「先に?傾く」とは、
うーんこの勘の鋭い?私にも読めませんでした。
正に想定外。

あの日、「家と共に揺れぬ」でしたので
これでは30年内に来たる確立66パーセントの「関東大震災」どころか
まことしやかにながれる「富士山爆発」なら
一緒に「爆傾き?」どころか「こっちが爆発?」な予感がしたので
今回建築士の方に耐震度を見ていただきましたら
「震度6弱で倒壊」という見事な?お墨付きをいただきました。
うーんここだけは私の「予言」がピタリでしたわ。

それも1000分の14という傾きで
妹曰く「チョーどころかウルトラ微妙」で私の気分は1000マイクロシーベルト?

今回の震災で家の崩壊や傾きで
多額のローンが残っている方にはまったくもって心からお気の毒と
御同情を禁じえませんが
お陰様でと申しますか、幸いにも私の実家はローンもないので
身軽に次のステップに進めそうです。

しかも暮れに断捨離したお陰で、家の片づけも済んでおりますので
引越しするにも好都合。

おまけに母が呆けてたんまり買い込んでいた、捨てるに捨てられなかった
全品、オール新品(ほんと値札つき)の下着や、パジャマ、靴下、シーツ、などなど
たんまりと?(なんと段ボール8箱)
原発から逃れ南相馬市から新潟の柏崎まで
避難をしている大学時代の友人一家にそっくりそのまんま送ることができました。

いやーありがたいったらありゃしない。
だって一階と2階の押入れ、それぞれ半間しめていたんですもの。

「Lサイズのゴムのベージュのパンツなんか取っておいても、
このプチお尻?の私じゃデカ過ぎるもんね。
それならあんたのお母ちゃんに履いてもらったほうが
どう考えてもいいに決まっているじゃん」
とおばさん話で大笑いの大盛り上がり。

巨大な地震と津波に襲われそれでも「天災だから」と涙を拭いて笑った彼女に、
追い打ちをかけた原発問題。
「もう帰れないかも」たった鞄一つで、あわただしく
生まれ育った美しい故郷を後にしてきた
彼女一家の役に立てる日がくるなんて。

断捨離を始めた当初は
「あー母ちゃんぼけて、こんな買ってどうしょうもないわ」と
一人嘆き?悲しんだ日々だったが、
段ボールを送った日には
「母ちゃん。ぼけてくれてありがとう。あなたは生き仏様だわ」と
鼻歌で母の頬を思わずスリスリしちゃいましたわ。

家は残っても放射能汚染で今後、畑で作物を作れず、
生まれ育った故郷の
あの美しい福島の地にいつ帰れるかもわからない
彼女のことを思ったら
なーに家が傾いたぐらい、私は笑って済ませます。
只今、賃貸マンションに入居の許可が下りるのを待っているところです。
(前例なき?被災者扱いになるようで、多少の割引があるそうです。
あーあほんとありがたや)
夫は只今、石巻で泥かきのボランティア中
帰ってまいりましたら引越し準備をする予定です。

あーそれまでデカイ余震がきませんように
天国の父ちゃん守ってくれーぇ。

要介護4になった母を同伴の引越しなので大変といえば
大変ですが、この3年の介護の日々に比べれば、なーに楽勝の引越しです。

同じ区内ですが、未知の土地なので今からワクワクしています。
緑が多く静かな環境もお気に入りです。

私も被災地の皆様に負けないようにがんばります。
家は傾きましたが、心は傾きません
皆さん一緒にがんばりましょう。