素晴らしき仲間に感謝

先日学生時代の友人たちと久しぶりに顔を合わせた。

 

50歳という齢も優に超えて、世間でいうおばさんの部類の

 

領域に間違いなく足を踏み入れているのだが、

 

実に心細やかで、心優しく今思い出しても涙が出そうだ。

 

思えば8年前私が闘病生活を終えた時は

 

「退院祝い」と言って、皆で顔を合わせた。

 

今回は「介護ご苦労様」と銘打って私を労う会を開いてくれた。

 

もうそれだけで心が震えるような思いがする。

 

学生時代本当に彼女たちと親交を深め、友情を温め合った。

 

何十年たってもあの時代に瞬く間にタイムスリップできる不思議な力を

 

彼女たちは私に与えてくれる。

 

感謝の気持ちを込めて彼女たちに送ったメールの一部をここに記して

 

今日は終えようと思います。

 

こんばんは。今日は本当にありがとうございました。

 

皆さんの元気なお顔に久しぶりにお会いできただけで

 

つくづく自分はなんて幸せ者なんだろうとしみじみ感じました。

 

今更ながらあの大学で巡り合えたことや

 

皆さんに助けていただいた日々にただただ感謝です。

 

何十年たっても何の裏表もなく、隠し事もなく

 

自分の心を素直に話せる人が居ることをありがたく思います。

 

学生時代は若さも手伝って今よりもっともっと我儘で自分勝手だった私を

 

今日の様にこうして受け入れてくださっていたのだと、

 

改めて皆さんの心の大きさと深さに感嘆すると同時に

 

何年たっても心優しい、皆さんに感銘するばかりです。

 

子育てや家庭生活など、きっと言うに言われぬ苦労があったと思いますが、

 

皆さんがそれぞれ御自分の知恵と力と思いやりで

 

今日まで乗り切ってこられたからこそ

 

今日のような美しい笑顔があるのだと私は思いました。

 

長々と書いてしまいましたが

 

お礼の気持ちも込めてどうしても伝えたかったので書き連ねてしまいました。

 

ごめんなさいね。

 

どうぞお体に気を付けて 又お会いできる日を楽しみにしております。

 

それでは ごめんくださいませ。

 

 

 

 

大きな奇跡と小さな奇跡

 

 

早いもので今年もあと一か月と数日を残すのみとなった。

思えば2月の大雪の日に母を亡くし、3月の彼岸明けに

それまでの介護の疲れがドッと出て、体調を崩し

医者通いを続け、夏の暑さも手伝って、

やせ細ってしまった体重がようやく

戻ったのは、秋風が吹き始めた頃だった。

 

その間、世間では土砂災害や、御嶽山の噴火など

今年も大きな災害に見舞われ、つい先日も長野で地震が発生した。

多くの家屋が倒壊し、けが人こそ出たものの

よくぞ犠牲者が一人も出なかったと思う。

それこそ奇跡だと思った。

 

日ごろから隣近所が助け合い、支えあってきた賜物だと

その後の報道を見て感じた。

 

地震と同じ日の午後、私は近所の公園で忘れ物をした。

それはお尻の敷くレジャーシート。

クルクルとコンパクトに畳める、値段は480円ぐらいだったかな。

夕方暗くなってから忘れてきたことに気が付いた。

 

どうせ安物だしもういいや。

  • 公園には土曜日でたくさんの人が来ていた。

誰か持って帰ったに違いない。

主人も「100%もうないよ」

「そうだよね」

 

ところが翌日期しせず、再び公園に散歩にいってびっくり。

なんと、昨日座ったベンチの傍の大きな石の上にそれがあるではないか。

それもご丁寧に風で飛ばないように、小さな石で押さえてある。

 

「あった」わたしは思わず大きな声で叫んでしまった。

公園には昨日同様たくさんの人が来ていた。

傍らで休んでいたご婦人が私の声に驚いて思わず振り返り

「何があったのですか?」と尋ねてきた。

「いやー昨日ここで忘れ物をしたんですが、まさかあるとは」

私は手にしたレジャーシ‐トをご婦人に見せた。

「よかったですね。親切な方で」

「ほんとありがたいです」

私は嬉しくて、主人に急いでメールをした。

「忘れ物、公園にあったよ」

 

主人は仕事から帰ってくるなり

「メールみたよ。すごいね」と私同様に喜んでくれた。

「『絶対ない』って思った」

「あたしだって同じよ。見た瞬間、奇跡だと思った」

 

私は、物が返ってきた喜びはもちろんだが、

忘れ物をした人が困っているだろうと、見ず知らずの人に思いをはせてくださり

それも風で飛ばされないようにと、心配りまでしてくださった

温かな思いやりあふれるその行為に心から感謝したい。

 

地震で自らも被災しながら、なおかつ他人を助けるという

尊い思いやりから、

公園のベンチの忘れ物にまで

ささやかな思いやりがあふれている。

 

日ごろの小さな奇跡の積み重ねが、

やがては大きな奇跡を起こすのだと

私はあの日、「日本人の心」を改めて感じた。

 

横浜も揺れて怖かったけれど、

心が豊かになるってこういうことなんだなって

かみしめるような一日だった。