袖擦りあうも縁~人生も話し方も迷いは駄目よ~

主人との出会いはお見合いだった。

お見合いと言っても、親戚の伯母ちゃんが持ってきた
写真を見て会ってみようか?という昔ながらのスタイルではなく
(これだったら写真?で断っていた)
結婚相談所のしかもコンピュ-ターを介して適切な人を
紹介してくれるという、今なら一般的になったのかもしれないが
当時(今から17年ほど前)としてはかなり斬新?なお見合いに
私はかくも果敢?に申し込んだのである。

短大を卒業後、栄養士として10年以上病院で働いた私は
友人達が次々結婚し、正直このまま独身で一生涯を送るのか
結婚するのか迷い始めていた。
資格も持っているし、このまま気楽に生きるのも悪くないかもと
思う反面、女としての幸せも味わってみたいという
年ごろの女性としての極々当然とも言える
素朴な思いも持ち合わせていた。

仕事は良き仲間にも恵まれ、それなりに充実こそしてはいたが、
デートする相手もなく、週一回の休みもどこに出かけるわけでもなく
疲れて昼頃までゴロゴロ寝て、
その後はゴソゴソ起きては好きな本を読んだりして過ごしていた。
お金が貯まれば、好きなアーティストのコンサートに行き
まとまった休みが取れれば行きたいところへ
誰に気兼ねするでもなく旅に出かけた。

きままな独身生活ではあったけれど、
心のどこかに一抹の寂しさを抱えていたのも事実だった。
それは日曜日だった。
その日もいつものように近くの本屋へ出かけていった。
あたたかな雨の降る日曜の午後だった。

それは不意打ちだった。
グレーに煙る6月の町を歩いていたら
「これからどうやって生きてゆこうか」という
いう不安感に襲われた。
同時に「このままではいけない。何か変えなくちゃ」という
体の奥底から湧き上がるような熱い思いにもかられた。

「自分を変えよう」熱い思いを抱えたまま私は本屋に急いだ。
どんな本を選んだか覚えていないが
会計を済ませるとブックカバーと共に
一枚のはがきが輪ゴムでくくられていた事を
昨日のように思い出す。

普段なら捨ててしまうであろう
その一枚のはがきになぜかその日は心が惹かれ?た。
それは結婚相談所のはがきだった。

「これだ」「結婚しよう」
自分を変えようという壮大な思いの割には
小さいことだったが、
私にとっては宇宙の外側へ飛び出して行くぐらいの
気持ちの切り替えだった。
(まあ単純と言えば、単純なんだけどね)

そう決めたら早かった。
「善は急げ。思い立ったら吉日」
私は家に帰るとすぐさまそのはがきに必要事項を記載し
翌日すぐさまポストへ投函し、
翌週の日曜日には相談所のドアを押していた。

親にも誰にも相談しなかった。
大切な一生だ。自分の相手ぐらいは自分で決める。
ちょっとオーバー気味だったかな?
でもそれぐらいの覚悟がないと私の場合は結婚なんかできなかったもんね。

私だって32歳。多少酸いも甘いもかみ分けた。
男を見る眼ぐらい養って?きたはず?
まぁここらへんはチョイト怪しかったが、
「この結婚の責任は最後まで自分で持つ」と
腹をくくってからは気持ちが楽になった。

消費税込み33万円は貯金から一括で払った。
分割もあったが、あえて自分を崖ッぷちに立たせ、
後戻りできない状況も「人生時には必要」と
ここらへんに関しては長い?
人生経験で積んできたので思いっきりジャンプ出来た。
(と言うか、いつも親や先生にお尻をひっぱたかれないと動かない
という情けない性格が災いどころか幸い?しているだけ)

結婚に関しては、清水の舞台から飛び降りるような気持ちだったが、
お金の支払いに関しては、
「皆、それだけ真剣な気持ちの人が集まっているんだ」
と考えていたのでまったく迷いもなく
「お金とはこんなときこそ払うべき。
一生に一度のギャンブルだぁ。絶対にいい男みつけてやるぅ。」
と逆に私の高い志?に見合った金額だと思えばちっとも高いとも思わなかった。
(結婚してから主人もまったく同じ事を言っていたので、
価値観が似ている人だなと思った)

むしろ「ギャンブラー陽子?」を奮い立たせるには十分な金額であり
今にして思えばギャンブル嫌い?で仕事好き?の
ゴミ捨てを自分から進んでしてくれる(これは誉めてつかわすゾ)
良いだんな様とめぐり合えたので?むしろ安いくらい?と
一応だんな様の手前言っておこう。

という訳で主人と縁があリ、
相談所に飛び込むのも早かったが、式を挙げるのも早かった。
あの雨の日から一年後の6月には結婚式を挙げていたんだから
まったくもって人生何が起こるかわからない。

(もっともこれは主人の圧倒的なパワー、
(御存知の方ならお解りになりますよね)
すなわち即断即決力に負うところが多いのであるが、、、。

結婚してからも、愚図でのろまな私は
この敏捷性の豊かさ?には助けられこそすれ
さした喧嘩の種にもはならない?ので、
お互い割れ鍋に閉じ蓋のごとくというところか?)

という訳なのですが、
これで話が終わりにならないのが陽子さんの面白いところ。
というかこれからが真骨頂。
皆様。いよいよここからが本番よ。

いいですか。皆さん私と主人はコンピューターが選んだ相手というのは
先ほどお話いたしましたね。
ところがどっこい、コンピューターも時には
「粋な計らい」をするものなのですね。
なんと主人と私はそれ以外?のご縁があったのです。

初めて会った時の事。
すでにお互いの写真や履歴は相談所を通して
交換し合っていたので、話はそこそに弾みました。
主人が予約していてくれた新宿の夜景が美しい高層レストランで
食事をしている時でした。(主人後日談。「あれは見栄をはって奮発した」そうです)

思い出したように主人がこんな事を言い出したのです。

「石井先生をご存知ですか?」
「知っているも何も、未だに足向けて寝れない私にとっては生涯の恩師です」
(石井先生とのエピソードはいつの日かまたお話いたしますわね)

「実は先生の一番下の弟さんが僕の大学時代の親友なんです」
「えーっ」私は絶句した。
「先生は10人兄弟のご長男でいらして」
「そうです。その10番目の弟さんが僕と大学の同期だったんです」
「石井先生をご存知だなんて、世の中広いようで狭いって言うけどほんとですね」
「いやーほんと悪い事できませんね」

主人の言葉に私は「ほんとにそうだな」と、ただうなずくしかなかった。
奇遇だと心底思った。

主人との結婚の決め手はもちろん?見た目なんか?ではなく
人柄の良さ?が一番だったが、
この偶然が私たちを結びつける何パーセントかに役立ったことは間違いなかった。

主人との結婚が決まって、先生に報告した時の先生の驚きったら
私たちの驚きどころではなかった。

「えー、あの福士君なの?」「コンピューターが選んだんだよね?」
「こんな偶然あるのか?」

先生の話で私が驚いたのは、
主人は私が行った事のない先生のお宅にお邪魔して
弟さんと共に食事を何度もご馳走になったり、
伊豆にある先生の別荘までご一緒して、
クルージングまで楽しんでいたとの事。

そして先生は主人を誉める事、誉める事。

「福士君のお陰で、弟は大学を卒業したようなもんなんだ。
福士君がいなかったら、弟は大学なんか出られなかったよ」とか
「ほんとにいい人を見つけたね。
福士君ならまちがいないよ。僕が保証するよ」とまで
おっしゃってくださった時は、正直ほっとした。

「ああやっぱり、私の目に狂いはなかった」
とその時は?確信?したのでした。(なぜか過去形)

そしてやっぱり電話を切るまで、先生はこの偶然にこだわりつづけました。
「コンピューターに神さまが宿ったとしか思えないよ。
神さまも粋な計らいをするもんだね」と。

残念ながら結婚式当日、熊本で行われるの先生の講演会と重なり
出席していただけなかったが、
主人の友人代表として、先生にそっくりな弟さんが
洋楽をピアノ演奏してくださり、プロか?と思うほどの歌声を披露してくださった。
英語の発音も流暢で
(主人の方こそ、この人のお陰で大学卒業きたんじゃないか?と思ったほど)

余談だが私の妹のだんなさんとも大学の先輩と後輩にあたるので仲が良く
「ヒロちゃんと早慶でなくてよかったよ」
「お兄さん僕もそう思いますよ」なんて冗談を
旅先で楽しそうに話しているのを聞くとちょっと嬉しくなるのです。

「袖擦りあうも他生の縁と、いにしえからの伝えどおり
この世で出会う人とは全て、見えぬ糸でつながっている」

朝の連ドラで、私の大好きな竹内まりあさんが歌っているが
主人とは、コンピューターの線?がどこかでつながってたんじゃないかと
思わせるほどの偶然だった。

何の神さまだか解らないけれど

仕掛けられた「偶然」ならだまされてもいいかも
仕掛けられた「いたずら」なら笑って許すしかないもの
仕掛けられた「計らい」なら感謝するしかないじゃない

結婚して16年。
喧嘩しながらも、今日までこられたのも天が互いの忍耐と努力を
試していると思えば「試されましょう」とだまって受け入れるしかないもの。

という事は今日3月5日は私の誕生日という事もすっからかん忘れていても
私の事、真顔で人目もはばからず「大当たり」と言ってくれる
あなたを「許してつかわす」と言うしかないか。
(ひえーっ。陽子さん図々しい)

そういう私もこの頃は貴方の誕生日忘れちゃうし、お互い様よね。

それより親の介護で今は離れて暮らしているけれど
「今日はWBCだね」「うん。もう楽しみ。絶対見ようね」なんてお互い
ささやかなことでも楽しみを見つけ、盛り上がれる関係に
喜びを感じている。

貴方もきっと同じだと勝手に思っている私だけれど
いつものように「いいんだよ」と笑って許してくれるはず。

今さっき日本は村田のホームランで2点追加。
ただいま5回表。3対0で日本リード。
今ごろ「いいぞ。日本。行け。行け」と一人テレビに向かって応援しているんだろうな。

私はここ横浜でブログ打ちながら「よっしゃぁ。やったーぁ」
49歳に成り立てほやほやのおばさんは歳も忘れて大騒ぎ。
まったく忙しいったらありゃしない。
(これじゃあ49(しじゅうく)にして「しじゅう苦しむ?」になりそう)

さあ、早いとこブログ仕上げて、
だんな様の事はすっからかん忘れて?応援に専念しなくちゃ。
(えーそれじゃあ今度は神さまがせっかく結んだ糸を解いちゃうかもって。
うーん、それはもうしばらくは?ご勘弁を)

ああーそれにしてもイチロー、あなたのヒットが早く見たい。
見せてくれー。
何が今日の貴方を迷わせているの?

悩みはいいのよ。道の先に進もうとするなら。
迷いは駄目よ。幾重もの道に迷い込むから。

人生も、話し方も一緒よ。
「縁を生かせ。善は急げ」という言葉を記して今日の戯言を終わらせていただきます。
今日も読んでいただきありがとうございました。

youko

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